ITIL の従うべき原則
1. 価値に着目する : 利害関係者にとっての価値に直接的あるいは間接的に結びつける
サービスを提供する相手は誰? どのようにサービスを利用している?
サービス消費者にとって本当に価値があるものは何なのか?
2. 現状からはじめる : ゼロから考えるのではなく、すでにある利用可能なものの活用を考える
多くの場合、ゼロから考えるのは極めて時間の無駄が多い
現状を適切に理解し、再利用可能なものを把握する必要
測定を使用することが重要だが、測定はあくまで観察対象の補助であり、観察対象そのものの代わりにはならない
測定が結果に影響する可能性も考慮すること (例えば、サービスデスクの通話時間を測定することで、担当者が通話時間を短くしようとするなど)
既存のプラクティスやプロセスを再利用する場合、本来は引き継ぎたくないサービス品質を悪くするような要素も引き継ぐ可能性もある : リスク管理も必要 3. フィードバックをもとに反復して進化する : 作業を小さくして反復的に取り組んでいく
状況の理解は重要だが、先に進むことも重要
拙速にはならないように : 小さく反復することで速くできるからといって、成功に欠かせない要素が省かれないように
4. 協働し、可視性を高める : 境界を越えて協働することで、より大きな賛同が得られ、長期的な成功の可能性が高まる 本当の目標達成につながるような協力作業には、情報、理解、信頼が必要
作業と結果を可視化し、隠された課題を回避し、情報をできる限り共有する
誰と協力すべき? → 組織がかかわるすべての利害関係者を特定し、管理すること
作業が可視化されていなかったり、一度共有した取り組みについて再度の言及がなかったりすると、その作業は重要ではなかったと思われかねない
作業が十分に可視化されていないと、意思決定を適切に下せなくなる
協働と合意は別物 : 必ずしも作業の前に関係者全員から合意を得る必要はない (むしろ、それは賢明な方法とはいえない)
対象者に合わせて情報を伝えること
5. 包括的に考え、取り組む : サービスの一部ではなく全体に対して取り組む (さもなければ得られる成果は貧弱になる)
サービス、プラクティス、プロセス、部署、サプライヤは単独では成り立たない
包括的に考えなければ、組織や顧客、他の利害関係者が得られるアウトプットは悪化しうる
可能であれば、システム要素のニーズのパターン及びシステム要素間の関係のパターンを調べる
自動化は、包括的に取り組むことを促進する
6. シンプルにし、実践的にする : プロセスや手順のステップは、達成目標に必要な最小のものにする
常に成果に基づいて思考する
価値創出にどのように貢献しているか?
運用スタッフにとってみれば無駄に思えるものでも、会社の立場では法規制のコンプライアンスのために重要かもしれない → 間接的にではあるが、それは重要な価値をもたらしている
例外を考える必要はあるが、全ての例外を扱うことはできない
例外全般に対処するための規則を策定すべき
サービスマネジメントを設計したり、改善したりする際には、単純なアプローチで着手し、本当に必要だとわかったらコントロールや活動、測定基準を慎重に追加すべき
7. 最適化し、自動化する : あらゆる種類のリソース (特に人材) を最大限効果的に利用すべき。 無駄なものは排除し、技術で解決できるものは技術で解決する
最適化 : 必要に応じて効果と有用性を高める
目指す目標と実際の結果を評価する必要 → ベースラインを定義して達成度を測定
自動化
デプロイプロセスの自動化などもあるが、もっとも単純な形でいうと、人手作業の標準化と合理化も自動化
決定を 「自動的に」 下せるように、プロセスの一部における規則を定めるなど
自動化の前にプロセスの最適化や簡略化をする (複雑なプロセスを自動化しても期待する効果は得にくい)
参考文献